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 我が家の古民家は、築後百七十年から八十年位は経過していると聞いていました。父の代から今後この古民家をどのように対処していくか、という問題で何回か話し合いをしておりましたが、新築となると莫大な費用もかかるし、家族もだんだんと少なくなって、裏に十分住めるだけの座敷(部屋)もあるので、今更建替えする必要もなく、使用するだけの使用して、建枯れを待っているようなものでした。
 古い主屋は、寒い、暗い、すすや埃りで汚ない上、国道沿いに建っているため、車の通行量も多く、振動や風圧や泥はねで、障子や床もよく揺れ、住み心地、居心地も悪く一家団欒の場が持ちにくい状況でした。只、代々住み、守り続けてきた主屋であること、昔の家は酷暑の夏になると、ホテリも少なく、涼しく、何となくやすらぎのある点、捨てがたいものも感じておりました。
 この度縁あって、蘇生工事された造り酒屋の明石のU邸を見学させていただき、私の家も代々造り酒屋であったこともあり、何か相通じるものを感じ乍ら川嶋建設様との話が進んで行きました。当初まさか川嶋建設様が蘇生工事を手がけていることは夢にも考えていませんでしたので、いろいろ話が進む中、匠の技を持つ棟梁様、蘇生工事を研究され、実績のある設計士様、等々当方の要望を叶えて貰えそうなスタッフが揃っており、家族や周りの方と相談したところ、皆んなが喜んで賛同してくれました。
 私も六十代半ばとなり、気力、体力、資金力等考えたら、これが最後のチャンスと考え蘇生工事を決断し、一番気になった事は果して蘇生するだけの価値ある建物になるだろうか、という事でした。着工が延び天候条件が悪くなりましたが6ヶ月間の工期には見事に完成しました。リスクの伴う工事でしょうが今風の家にはない重厚さ、古さと新しさが上手に調和し、天井からの明り探り、見事な柱の継ぎ方、梯子戸、サッシ、を要所に使い斬新な台所や食堂、暖かさのある床暖房、石張り工事等も適当に入れ思った以上のグレードの高い、明るく・便利で住心地よい建物となり、皆んなで喜んでいます。これからの余生を十分楽しみ、活用し寛いで行きたいと思います。
 最後になりましたが工事関係者の皆さんに深く感謝申し上げます。
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株式会社 川嶋建設 〒668-8686 兵庫県豊岡市寿町11番35号
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